SIXCORE (シックスコア) はサービスの提供を終了しました。

40%もの高速化!wpXと同等になるシックスコアのXキャッシュ

シックスコア(SIXCORE)はエックスサーバー社が運営するレンタルサーバーです。シックスコアの特徴はハイスペックサーバーの採用と少ないユーザー収容数であり、一つのサーバーで運用されるサイト数を絞ることで高い安定性を確保しています。少ないユーザーで高性能サーバーを共有するという贅沢な仕様のため、他社と比較するとやや高額な料金設定となっています。

シックスコアは「Xキャッシュ」と呼ばれるキャッシュ機能を標準装備しています。ウェブページのデータをキャッシュし、レスポンスを高速化する仕組みです。シックスコアそのものの性能が高いため、あえてXキャッシュを必要とする場面は少ないかもしれませんが、その効果は絶大です。

ここではXキャッシュの有無によるレスポンスの変化をまとめています。測定結果のみ掲載しているため、測定方法などの詳細は下記を参考にしてください。

Xキャッシュとは

WordPress等のCMSによるウェブサイトにアクセスがあると、PHP等がウェブページを動的に生成します。必要に応じてデータベースにもアクセスします。キャッシュ機能がなければアクセスの度にこの処理が発生します。

「Xキャッシュ」は、アクセス時に生成されたウェブページのデータをサーバーにキャッシュ(一時保存)します。2回目以降のアクセスに対しては、そのキャッシュデータをレスポンスに利用することで高速化を実現します。つまり、プログラムやデータベースの処理が不要となるためレスポンスが向上します。(語弊はありますが)動的ページを静的ページのように処理する仕組みです。

Xキャッシュの設定は「サーバー管理ツール」で行います。ドメインごとの設定となり、キャッシュ対象とするURLとキャッシュ保持時間(秒単位)を指定します。ファイルを指定すればそのページのみ、ディレクトリを指定するとそのディレクトリ以下のページがキャッシュ対象となります。

比較結果

  シックスコア シックスコア(Xキャッシュ) wpX(参考)
有効測定 4,032回 4,032回 4,032回
棄却検定除外 1.26% (51) 1.29% (52) 2.46% (99)
棄却検定閾値 1.17秒 0.72秒 0.50秒
エラー 0% (0) 0% (0) 0% (0)
3秒以上 0.35% (14) 0.10% (4) 0.02% (1)
中央値 0.50秒 0.25秒 0.22秒
平均値 0.47秒 0.29秒 0.24秒
ばらつき/標準偏差 0.14秒 0.09秒 0.05秒
変動係数 29.8% 31.0% 20.8%
測定結果について
測定実行のタイミングによりサーバーやネットワークの状態(混雑具合)が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値(外れ値)を棄却検定「Grubbs' test(α=0.001)」により省いています。これは測定サーバー側の異常を省く意味もあります。
ばらつき(標準偏差)は、レスポンスの 約68%平均値 ± ばらつき に、 約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。ばらつきが小さいほどレスポンスが安定していることになります。
変動係数は「平均値に対する変動の割合」を示します。平均値が同じであっても変動係数の大きな方が、レスポンスにばらつきがあることになります。
グラフのX軸は7日間を4時間毎に区切ったものです。色の付いている部分は夜間(18:00~02:00)を示しています。

Xキャッシュの効果

Xキャッシュの効果がはっきりと分かる結果となりました。Xキャッシュなしの結果と比較して 「約40%」 の高速化となっています。同時に実施した静的ページ(PHPやMySQLを不使用)とほぼ同等のレスポンス性能となっています。公式サイトでXキャッシュを推奨している印象はありませんが、アクセス数の多いサイトであれば効果が高いでしょう。

比較対象として同社のWordPress専用レンタルサーバー「wpX」の結果も掲載しています。wpXの詳細は下記を参考にしてください。

wpXの特徴は「WordPress専用にチューニングされたキャッシュ機能」であり、他サービスと比較して圧倒的なレスポンス性能があります。しかし、Xキャッシュを有効にしたシックスコアであればwpXの結果に近づけることができます。

シックスコアは汎用的なレンタルサーバーであり、wpXのようにWordPressの利用に限定されません。キャッシュ機能を上手く利用すれば、WordPress以外のアプリケーションもwpX並のレスポンスとすることができます。

あえてWordPress専用となってしまうwpXを選択する必要はないように思えますが、より簡単にキャッシュ機能の恩恵を受けられるのはwpXです。初期状態で有効になっており、WordPress専用の設定が施されているため問題が起きにくくなっています。一般的なのサイト運営であれば意識することもありません。対してシックスコアの場合、ウェブサイトの構造に併せてユーザーが適切に設定する必要があります。

wpXは初期設定のままでも問題がありませんが、多くの設定に対応しています。そのため、特定のページのみキャッシュ対象から除外することも容易です。シックスコア(Xキャッシュ)の設定項目は「ファイルまたはディレクトリの指定(URL形式)」「キャッシュ時間(秒)」のみであり、細かな調整はできません。

wpX 設定項目  
一般キャッシュ時間 トップページや個別記事ページなど通常アクセスが行われるページのキャッシュ時間
静的ファイルのキャッシュ時間 画像や動画など静的ファイルに対するキャッシュ時間
404ページのキャッシュ時間 存在しないページ(404)のキャッシュ時間
スマートフォンのキャッシュ設定 PCからのアクセスとスマートフォンからのアクセスを区別してキャッシュする
Cookieによるキャッシュ対象除外 Cookieに設定した値が存在する場合、キャッシュから除外する
ファイルパスによるキャッシュ対象除外 キャッシュの対象外とするURLのパスの設定
ユーザーエージェントによるキャッシュ対象除外 キャッシュの対象外とするユーザーエージェントの設定

「他のレンタルサーバーとの比較」を見ると分かりますが、wpXとシックスコアはレンタルサーバーの中でも最高クラスのレスポンス性能があります。

料金はwpXが安いため、WordPressしか利用しないのであれば「wpX」、WordPress以外にも利用するなら汎用的な「シックスコア」がおすすめとなります。

キャッシュ機能のデメリット

上級者向けの機能であり「キャッシュに適したページかどうか」をユーザーが見極める必要があります。ブログの記事など、一度生成してしまえば更新の必要のないページに大きな効果があります。サーバーへの負荷も小さくなりメリットしかありません。

しかし、全てのページがキャッシュに適しているわけではありません。例えば、WordPressのダッシュボードをキャッシュ対象とすれば確実に不具合が発生するでしょう。他にもリアルタイム(または短期間)にデータ更新が必要とされるページにも向きません。

サイト運営者に対する大きな問題は、PHPやCSS等を修正しても、キャッシュ内容が優先されるため、キャッシュが更新されるまで過去のデータが表示されることです。もし、デザインや機能を修正する場合は、キャッシュを無効にする必要があります。このことを忘れていると、原因特定に無駄な時間を過ごすことになります。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

当サイトで測定済みのレンタルサーバーとの比較です。詳細は各リンク先を確認してください。

測定結果(データのみ)

データのみ掲載しておきます。

棄却検定適用データ

  動的ページ 静的ページ
有効測定 4,032回 4,032回
棄却検定除外 1.29% (52) 1.81% (73)
棄却検定閾値 0.72秒 0.65秒
エラー 0% (0) 0% (0)
3秒以上 0.10% (4) 0.07% (3)
中央値 0.25秒 0.25秒
平均値 0.29秒 0.28秒
ばらつき/標準偏差 0.09秒 0.07秒

未加工データ

  動的ページ 静的ページ
3秒以上 0.10% (4) 0.07% (3)
中央値 0.25秒 0.25秒
平均値 0.31秒 0.29秒
ばらつき/標準偏差 0.20秒 0.19秒

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス(プラン)に対して多数のサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他ユーザーの負荷も影響します。

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