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リニューアルされたスターサーバーの処理性能は向上したのか?

リニューアルされたネットオウルのスターサーバーの処理性能を評価してみましょう。 ネットワーク環境を除いたサーバー単体の評価となっており、同一条件として他社との相対的な比較が可能です。 ただし、割り当てサーバーによっては負荷状況が異なるため、この結果が全てのサーバーに当てはまるわけではありません。

スターサーバー(StarServer)の全てが分かる
スターサーバーのレビュー

測定方法

WordPressの読み込みに要する時間を測定します。

  • Webサイトのレスポンス測定用に配備したWordPressをそのまま利用します。
    • コンテンツ表示速度測定からネットワーク環境を省いたものとほぼ等価です。
    • レスポンス測定の結果は別の記事を参考にしてください。
  • 連続で10回読み込み、合計時間を集計します。

測定項目は以下の2種類となります。

サーバー(Webサーバー全体)
リクエストからレスポンスまでの時間です。Webサーバーでの処理が全て含まれます。つまり、Webサーバー+PHP+DBの総合的な処理時間です。
PHP&DB
コンテンツを生成する処理時間です。上記よりWebサーバーを除いたものであり、PHP+DB(主にMySQL)の処理時間となります。
測定方法の詳細
ElectronとNavigation Timingによるレンタルサーバーのレスポンス性能測定
初期の内容なので現在と異なる可能性があります。

測定期間

一度きりの測定では意味がないため、一定期間の継続した測定を行っています。 例えば、訪問者の少ない深夜または早朝に測定すれば、最も良い結果を得ることが可能です。 意図的な悪い結果が必要なら、負荷ピーク時に測定すればよいだけです。 継続した測定であれば誤った結果を導き出すことを防げます。

測定期間は 7日間 とし、6分ごとに測定するため約1,600回となります。

一定期間測定することで、負荷が変動する日中、夜間、深夜の差を確認することもできます。例えば、訪問者が多くなり負荷が高くなる夜間と、負荷の下がる深夜との差が小さければ、負荷に強い安定したサービスであることを推測できます。

測定結果

  サーバー PHP&DB
測定数 1,680 1,680
平均値 2,027ms 670ms
中央値 1,755ms 640ms
標準偏差 1,074ms 119ms
エラー 0 (0%) 0 (0%)
有効数 1,668 1,557
除外数 12 (0.71%) 123 (7.32%)
異常値 9,421ms 4,585ms
棄却値 7,266ms 1,268ms
変動係数 53.0% 17.7%
測定結果について
何かしらの原因で発生する一時的な異常値(外れ値)を棄却検定(Grubbs' test α=0.001)により省いています。
グラフのRawは棄却検定を適用していない生データです。
標準偏差(ばらつき)は、処理時間の「約68%が平均値 ± x1」に、「約95%が平均値 ± x2」に収まることを示します。値が小さいほど安定していることを示します。

スターサーバーの評価

これはスタンダードプランの結果ですが、 旧サービスのミニバードやファイアバードと比較すると数値的にはそれほどかわりません。 ハードウェアは新しいものに更新されたようですが、収容ユーザー数(非公開)も相対的に増えたのか、全体的な性能にそれほど変化はないようです。 異常値を省いてもばらつき(1,074ms)が大きく、処理速度が安定しているとは言えません。

異常値を省いた「PHP&DB」の結果はかなり安定しているように見えますが、無加工(Raw)のデータを確認すると、かなり処理速度がばらついていることが分かります。 棄却検定で省かれたデータの平均値は 4,585ms であり、タイミングによっては処理性能が大きく低下するようです。 ただし、処理速度が落ちてもエラーが発生することはないため、安価な料金を考慮するとそれほど大きな問題ではないと言えます。

平均値だけを他社と比較すれば、かなり優秀な結果となっており、コストパフォーマンスの高いサービスと言えます。 しかし、予算があるならエックスサーバー などのより安定した上位サービスを検討してもよいでしょう。 コントロールパネルの使い勝手が良いため、とりあえずレンタルサーバーを使ってみたいという初心者におすすめです。

FastCGI or キャッシュ?

  スターサーバー
測定数 1,680
エラー 0 (0%)
PHP&DB 1st 346ms (429)
PHP&DB 2nd-10th 63ms (105)
サーバー 1st 1434ms(524)
サーバー 2nd-10th 66ms (41)
有効数 1,669
除外数 11 (0.65%)
  • 括弧内の数値は標準偏差。

この測定は10回連続で実施していますが、測定結果を詳細に確認すると、2回目以降が高速化されていることが分かります。 測定プログラムはできるだけキャッシュの影響を受けないようにしていますが、これだけ高速化されていることを考慮すると、 FastCGIや何かしらのキャッシュ機能が有効になっていることが分かります。 サイト運営者が意識する必要はありませんが、アクセスの多いサイトには特に有効です。

他社サービスとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

WordPress PHP7/FastCGI

187418231560

PHP7

2027175510740

PHP7/FastCGI

216120693390

PHP5/FastCGI

338933752621

SSD, PHP7/CGI

342933982760

PHP7/CGI

427141563510

PHP5/Module

540554092420

測定結果について
レンタルサーバーは1つのサービス(プラン)に対して多くのサーバーが運用されており、全てを評価することは不可能です。さらに共用サーバーの場合、処理性能は他サイトの負荷に大きく左右されるため、間違いなく当たり外れが存在します。hostingstockで公開している結果はそれらのうちの一つに過ぎませんが、良い結果でも悪い結果でもそのまま掲載します。悪い結果であっても事業者側が「許容範囲内の品質」として提供したサービスである以上、特別な理由がない限り別サーバーでの再測定は行いません。

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