レンタルサーバー WAPPY(ワッピー)のレスポンス性能や安定性を調べてみよう

レンタルサーバーを選ぶ際、レスポンス性能や安定性を最重視する必要があります。いくら質の良いコンテンツを作成してもレスポンスが悪かったり不安定だと訪問者は他のサイトに移動してしまうでしょう。そこでワッピーのレスポンス性能を調べてみました。

一時的な測定をしても意味がありません。夜間のレスポンスは?日中は?休日は?など、ある程度の測定期間が必要です。もしかしたら曜日毎に変化があるかもしれません。

測定方法

測定方法は下記のページを参照してください。

レンタルサーバー性能の測定方法

測定期間

2015年5月8日より14日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)のロケーションについては、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCで普通にインターネットを利用してます。家庭用回線のサーバーは測定専用として測定以外の処理は行っていません。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からの測定結果

  動的サイト 静的サイト
測定回数 8,064 8,064
測定失敗 0.11%(9) 0.07%(6)
3秒以上 6.91%(557) 4.44%(358)
10秒以上 0.19%(15) 0.20%(16)
平均時間(秒) 2.23 1.91
ばらつき(秒) 0.66 0.60

エラー内訳は以下の通りです。

  • 動的サイト:9
    • 接続エラー:9
  • 静的サイト:6
    • 接続エラー:6

ページが開くまで待てる時間は 3秒以内

快適なWebサイトの条件として3秒以内のレスポンスが1つの基準となります。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

WAPPYのレスポンスは平均2秒程度であり、他社と比較するとあまりレスポンスが良くありません。3秒以上かかる割合が全体の約7%あり、これにWebブラウザのレンダリング時間を考慮すると1割ほどが3秒を超えるかもしれません。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

比較表は常に最新の測定結果を利用するため、この記事の測定結果と異なる場合があります。

WAPPY(ワッピー)の評価

全体的にレスポンスがよくないので、夜間や休日がどうのこうのではありません。残念ながら他社と比較すると遅い部類に入ります。ただし、遅いことは遅いのですがエラーは少なくばらつきもそこまで大きいわけではありません。

言い方は良くありませんが、不安定ではないけど 純粋に遅い という感じがします。

当然、レスポンスを必要とするクリティカルなサービスには利用できませんし、訪問者が増えるとさらに遅くなるでしょう。ブログ程度の利用であれば全く問題ありませんが、同程度の料金でレスポンスの良いレンタルサーバーはいくつもあります。

メールアドレス無制限や転送量無制限など、WAPPYならではの特徴もありますが、エコノミープラン以上の料金では選択肢が増えてしまい、あえてWAPPYを選択する必要はないのかもしれません。それでも 初期費用が無料 なので気軽に試すことはできます。

コントロールパネルに Parallels Plesk が採用されていますが、お世辞にも操作性が良いとは言えません。どこに何があるのか分かりにくく、初心者は敷居が高いと感じるでしょう。他のレンタルサーバーのように使いやすく機能が整理されているわけではありません。

今時のレンタルサーバーでは標準的な、WordPress等の簡単インストール機能もありません(機能は存在しますがWordPressやMovable Typeが登録されていません)。

また、実際に利用してみるとパーミッション(アクセス権限)を原因とする問題が色々と発生します。サーバーの運用に慣れているユーザーであれば対処できますが、単純にブログをしてみたいと思う初心者にはあまりおすすめできません。

参考結果:ドメインキングからの測定結果

  動的サイト 静的サイト
測定回数 8,064 8,064
測定失敗 0.01%(1) 0.05%(4)
3秒以上 6.99%(564) 4.85%(391)
10秒以上 0.16%(13) 0.15%(12)
平均時間(秒) 2.26 1.98
ばらつき(秒) 0.61 0.65

エラー内訳は以下の通りです。

  • 動的サイト:1
    • 接続エラー:1
  • 静的サイト:4
    • 接続エラー:3
    • タイムアウト:1

ドメインキングからの測定は、時間帯による変化や家庭用回線からの測定に間違いがないかを確認するために行っています。データセンター間となると基幹網(バックボーン)での接続となるため、家庭用回線の結果と比較しても意味がありません。

例えば、多数のエラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、測定対象のレンタルサーバーに問題があることが分かります。

家庭用回線からの測定結果と似たような結果となりました。全体的に遅いことは変わりませんが、極端な遅延が発生することもなく、エラーも非常に少ないです。

家庭用回線の測定結果と同様に 安定しているけど遅い という評価になります。


測定結果について

測定結果は測定時期やネットワーク環境、レンタルサーバーの状態により大きく変動します。特に共用レンタルサーバーは1つのサーバーを複数のユーザーでシェアします。ユーザーが多ければ使えるリソース(CPUやメモリ、ネットワーク)は少なくなりパフォーマンスに影響します。ユーザーが少なくても少数のパワーユーザーがいれば、大きな負荷となりレスポンスが低下します。この測定結果はあくまでも1つの例として参考にしてください。

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