高速SSD採用で転送量無制限!Z.com WordPress専用サーバーのレビュー

Z.comは2015年10月20日に開始されたGMOの新しいサービスです。Z.comはGMOインターネット株式会社のグローバルブランドであり、世界展開を目的としたサービスとなっています。

開始当初は「マルチリージョン対応」や「時間単位の従量制課金」など、戦略的なサービスとなっていました。しかし、半年も経たないうちにこれらの仕様は削除されてしまい、やや平凡なサービスとなった印象があります。リージョンや従量制課金の仕様については、過去のレビューを参考にしてください。

「マルチリージョン」は海外向けサービス(シンガポールサイト)に残されているため、国内の利用者が少なかったことが削除の理由でしょう。もちろん、シンガポールサイトからであれば、アメリカやシンガポールのデータセンターを選択できます。国内向けサイトとシンガポールサイトのZ.comアカウントは別物となります。

「WordPress専用サーバー」と謳っているだけあり、WordPress以外の動作は保証されません。WordPressを簡単により快適に利用したいユーザー向けのサービスです。WordPressのインストール作業は不要なので、あまり知識はないけれどWordPressを使ってみたいという初心者におすすめです。

独自のキャッシュ機能により、一般的なレンタルサーバーよりも高速に動作します。現在契約しているレンタルサーバーのレスポンス性能に不満のあるユーザーにも最適でしょう。

メモ
料金設定は異なりますが、GMO DigiRockが運営する「COREPRESS Cloud」の姉妹サービスです。
終了した「WP Cloud」や「お名前.com WordPessサーバー」の後継サービスです。

一般的なレンタルサーバーとの違い

一般的なレンタルサーバーとの違いは以下の通りです。

WordPressの運用に特化
WordPressのみ利用可能。(基本的に)WordPress以外でのサイト運用は不可です。
料金体系
基本料金+訪問者数による従量制課金。
機能の制限
Cron非対応
データベースは一つのみ(WordPress一つにつき一つ)
メール機能はありません
WordPressサイトと同じドメインでメールを運用するなら、メール対応のレンタルサーバーまたはメールサービスの契約が別途必要です。設定方法はこちらの記事こちらの記事を参考にしてください。
編集可能なディレクトリに制限があります
WordPressのマルチサイト機能に非対応

基本仕様

基本料金「900円/月」のプランが一つのみです。

仕様  
月額料金 900円/月(長期契約により割引が適用されます)
初期費用 無料
WordPress 初期状態で1つインストールされています( 無料で無制限に追加できます
ディスク容量 標準 10GB 。オプションで容量を増やせます。10GBを100円/月で追加でき、上限は100GBです。
データ転送量 無制限
訪問者数 30,000訪問 (人)/月 まで無料。以降、1,000人超過毎に 100円/月 が加算されます。
オートスケール 突発的なアクセス増加でも、サービス側がリソースを自動調整し、快適なサイトアクセスを可能としています。
独自ドメイン設定 お名前.comなど、他社で管理する独自ドメインを利用可能です。
バックアップ 1日1回の自動バックアップ機能と手動バックアップ機能が標準装備されています。リストアやダウンロードに対応します。自動バックアップは 過去14日間 のデータが保持されます。
サイトコピー 別ドメインのWordPressサイトを簡単にコピーできます。
キャッシュ設定 Nginxのキャッシュシステムを利用しています。キャッシュクリアや機能のON/OFFにも対応しているので、柔軟な運用が可能です。
SFTP SFTPのみ に対応しています。本番、ステージング、それぞれの環境で個別に複数のアカウントを発行できます。
エラーログ 本番とステージング、両環境のエラーログの表示に対応しています。PHPのエラーが 過去5日分 保存されます。
ステージング環境 本番環境と同じステージング環境を利用できるので、サイト公開前に動作確認を行えます。本番とステージングの双方向のサイトコピーに対応しています。
自動アップデート WordPressのメジャーアップデート、マイナーアップデートの両方に対応しています。
独自SSL オプション(100円/月)。クイック認証SSLを採用しています。他社のSSL証明書は利用できません。
固定IPアドレス オプション(350円/月)

標準のディスク容量が「10GB」と今時のレンタルサーバーとしては驚くほど少ないです。理由はHDDより容量単価の高い「SSD」を採用しているためです。公式サイトでの説明はありませんが、旧サービスでは「Fusion-io Drive」が採用されていたため、Z.comでも同様でしょう。

Fusion-io Driveはカットスルーアーキテクチャと呼ばれる技術で、一般的なSSDを超える転送速度を実現しており、書き込み速度の速さも特徴です。一般ユーザーが利用することはなく、多くはデータセンターで利用されてます。

契約期間 1ヶ月 6ヶ月 12ヶ月 24ヶ月
月額 900円 820円
(8%オフ)
750円
(16%オフ)
720円
(20%オフ)

長期契約ほど割引率が高くなる料金体系となっています。

お試し期間
無料のお試し期間はありません。
最低利用期間
最低利用(契約)期間は1ヶ月です。

データセンター

以前は複数のリージョン(東京、アメリカ、シンガポール)から選択できましたが、国内向けサービスは東京に固定されています。

アメリカまたはシンガポールのデータセンターを利用する場合は、マルチリージョン対応のシンガポールサイトで契約するとよいでしょう。ただし、支払いは「シンガポールドル(SDG)」となります。料金設定がSDG基準となるだけで、全ての仕様は国内向けサービスと同じです。

(日本)国内の訪問者を対象としたサイト運営なら、ネットワーク遅延が発生する海外リージョンを利用するメリットはありません。

国内の場合、GMO系列のサービスが収容されているデータセンターで運用されています。Z.comの他サービスやロリポップ!なども同じデータセンターで運用されています。

あくまでも推測ですが、データセンターの所在地は東京都品川区のようです。

コントロールパネル

WordPressサーバーの機能は、Z.comのコントロールパネル(My Z.com)に組み込まれています。汎用的なレンタルサーバーと比較すれば機能がシンプルなので、操作方法で困ることはないでしょう。

レスポンスは快適とは言い難く、何をするにも少し待たされる感じがあります。

データ転送量と訪問者数

Z.comの料金体系は分かりにくいものですが、契約前に知っておくべき重要な部分です。

一般的なレンタルサーバーにはデータ転送量に制限があります。規定量をオーバーした場合、何かしらの制限を受けますが追加料金は発生しません。対してZ.comは(良くも悪くも)転送量無制限ですが、 訪問者数による従量制課金 となっています。

Z.comではアクセス数(訪問者数)が標準の規定数(30,000人/月)を超えると追加料金が発生します。つまり、30,000人/月に収まるサイト運営であれば、支払いは基本料金のみです。

この規定値を超過した場合、それ以降1,000人を超過するごとに、 100円/月 が加算されます。つまり、訪問者が75,000人/月であれば、45,000人超過となり、その超過分4,500円が基本料金に加算されます。

訪問者数とは?
0時~24時に、1ユニークIPアドレスのアクセスで1人(1訪問者)と換算されます。つまり同じユーザー(IPアドレスが変わらない限り)が一日にどれだけアクセスしても1人となります。PV(ページビュー)ではありません。
コントロールパネルで正確な訪問者数を把握できます。
後述するステージング環境へのアクセスはカウントされません。

つまり、規定値を大幅に超えてしまうと、その月の支払いも大幅に増加します。残念ながら、30,000人超過時にWebサイトを自動停止させるような設定はありません。

WordPressの追加インストールは無料で無制限(=マルチドメイン無制限)となっています。しかし、訪問者数を把握せずに、いくつものサイトを運営すると請求額に驚くかもしれません。

この規定値は契約単位で適用されます。例えば、10個のサイトを運営した場合、基本料金内に収めるためには、1サイトあたりの訪問者を3,000人/月とする必要があります。一日あたりに換算すると1サイトあたりわずか100人/日となります。とは言え、あくまでも訪問者数でありPV換算ならより多くのアクセスが可能です。

PV数に換算すると?
訪問者30,000人をPVに換算すると、どの程度でしょうか? 姉妹サービスのCOREPRESS Cloudの仕様を参考にすると、 3万人=90万PV となっています。少し甘い換算のような気もしますが、Webサイトを5つ運営した場合、基本料金に収まる1サイトあたり上限は6,000PV/日 (180,000PV/月) となります。

SSLの仕様

独自SSLに対応しており、SSLサーバー証明書をわずか「100円/月」で利用できます。GMOグローバルサインのクイック認証SSL(SNI)に限りますが、 年間1,200円 とお手軽な料金設定となっており、手続きや設定も簡単です。もし、SSL対応サイトを検討しているなら、Z.comは選択肢の一つとなるでしょう。

もちろん、Z.comでは他の証明書も取り扱っています。

種類 クイック認証SSL 企業認証SSL EV SSL
認証レベル
契約期間 1年〜3年 1年〜3年 1年〜2年
ワイルドカード ×
1年契約 34,800円 59,800円 128,000円
2年契約 66,000円 114,000円 244,000円
3年契約 96.400円 167,000円 -

この表にあるクイック認証SSLは単独で契約した場合の料金です。共用レンタルサーバーまたはWordPressサーバーと併用した場合は「100円/月」となります。

他社で取得した証明書を持ち込むことはできません。

共用SSL(共有SSL)
非対応です。

ドメイン

Z.comでは契約時に初期ドメインが発行されるため、独自ドメインがなくともWebサイトの公開が可能です。ただし、このドメインは契約期間のみ有効なので、長期運用が目的なら独自ドメインを取得するべきでしょう。

初期ドメインと独自ドメインは排他設定となっており、独自ドメインを設定すると初期ドメインではアクセス不可となります。

初期ドメイン
契約時(初期設定時)に「任意の文字列.webstarterz.com」を決定します。

一般的なレンタルサーバーのようにマルチドメインの設定はありません。WordPress1つにつき1つの独自ドメイン(サブドメイン)を設定します。WordPressのインストール数に制限はないため、実質的にマルチドメイン無制限対応のようなものです。

Z.comでは独自ドメインを取り扱っており、サーバーと一緒に契約すると管理しやすくなります。GMOはお名前.comを運営しており、Z.comも同等の料金となっています。キャンペーンの頻度は低いため、初年度の料金は劣りますが、更新費用なら格安レジストラと変わりません。

もちろんスタードメインなど、他社で取得したドメインも利用できます。

日本語ドメイン
旧仕様では不可となっていましたが、Punycodeで登録すれば機能します。サポート対象外となる可能性があります。
DNSレコード
DNSレコードの編集機能は提供されません。

データベース

MySQLではなく「MariaDB」が採用されています。互換性があるため、WordPressを運用するだけなら意識する必要はありません。

データベースはWordPressの追加時に自動生成されるため、ユーザーが直接操作することはありません。データベースの操作が必要となった場合、標準装備の「phpMyAdmin」を利用します。

以下の様な仕様となっています。

  • WordPress1つにつきデータベースが1つ割り当てられます。
  • ユーザーによるデータベースの追加や削除はできません。
  • 外部からの接続に非対応です。

独自のデータ管理を行う場合は、「wp-config.php」にあるデータベース情報を利用します。制限はないため、PHP等からテーブルの追加などの操作が可能です。

SQLiteも利用できます。

バージョン  
MariaDB 10.0.21。ENGINES: CSV / MRG_MyISAM / MEMORY / BLACKHOLE / MyISAM / InnoDB (標準) / ARCHIVE / FEDERATED / PERFORMANCE_SHCEMA / Aria。phpMyAdmin: 4.4.14.1
SQLite 3.6.20。PHPならPDO関数、SQLite3関数に対応します。

FTP、その他のファイル転送機能

FTPやFTPSではなく、 SFTP (SSH File Transfer Protocol)のみ対応しています。ほとんどのFTPクライアントではSFTPに対応しているので、気にすることはありません。

ファイルマネージャ(Webアプリケーション)がないので、ファイルやディレクトリを操作するにはFTPクライアントが必須です。

SFTPには3種類のアカウントがあります。

マスターアカウント
全てのディレクトリにアクセスできます。
1つだけ作成できます。
本番環境用アカウント
各本番環境用のアカウントです。本番環境のディレクトリにのみアクセスできます。
アカウント数に制限はありません。
ステージング環境用アカウント
各ステージング環境用のアカウントです。ステージング環境のディレクトリにのみアクセスできます。
アカウント数に制限はありません。

ディレクトリ構成

ディレクトリ構成は上図のようになっています。気にする必要はありませんが、SFTPで確認できるディレクトリ構成と実際の構成(パス)は異なります。

マスターSFTPアカウントを利用すると、ステージング環境を含め、全てのファイルを操作できます。

ファイルの編集(追加や削除を含む)は以下に限定されています。

  • 「/wp-content」以下
  • 「.user.ini」
  • 「robots.txt」

これら以外のディレクトリやファイルは読み込み専用となっています。例えば、WordPress本体のソース改変などはできません。

メモ
Nginxを採用しているため、.htaccess等のApache独自の機能は無効です。

PHPの仕様、他の言語について

Z.comのPHPは「FPM/FastCGI」で動作しています。コントロールパネルにPHPに関する設定項目はありません。バージョンは5.6.x固定となります。

PHPの動作設定を変更する必要があれば、ドキュメントルートにある「.user.ini」を編集します。

標準で読み込まれる拡張モジュール
Core / date / ereg / libxml / openssl / pcre / zlib / filter / hash / Reflection / SPL / session / standard / cgi-fcgi / bz2 / calendar / ctype / curl / dom / mbstring / fileinfo / ftp / gd / gettext / iconv / exif / mcrypt / mysqlnd / PDO / Phar / SimpleXML / sockets / sqlite3 / tokenizer / xml / xmlwriter / xsl / mysql / mysqli / pdo_mysql / pdo_sqlite / wddx / xmlreader / json / zip / mhash / Zend OPcache
仕様  
PHP 5.6.21
Python 2.6.6
Perl 5.10.1
Ruby ×
SSI ×

ログ

PHPのエラーログのみ対応しています。本番環境だけでなく、ステージング環境のエラーも出力されます。

エラーログはファイルとして出力されず、コントロールパネルでの閲覧のみ対応しています。「過去5日分」のログを閲覧できます。

Webサーバーのエラーログ、アクセスログ、アクセス解析機能はありません。アクセス解析については、Google Analyticsの様な外部サービスを利用すればよいでしょう。

キャッシュ機能

WebサーバーにNginx(エンジンエックス)を採用しています。

NginxはApache(アパッチ)と同じWebサーバーアプリケーションであり、Apacheより高負荷に強く、レンタルサーバーでも採用例が増えています。

キャッシュ機能はNginxの特徴的な機能の1つです。

Apacheであれば、ユーザーからリクエストを受けると、その都度PHPでWebページを生成してレスポンスを返します。もちろん必要に応じてデータベースへのアクセスも発生します。

キャッシュ機能を利用した場合、1回目のアクセスは同様の処理が発生します。処理結果(Webページ)をキャッシュし、2回目以降のアクセスにはそのキャッシュデータをレスポンスとして返します。PHP処理やデータベースへのアクセスが不要となるので、レスポンスが高速になります。

キャッシュ機能のデメリット

ブログの記事など、一度生成されると(ほぼ)更新されることのないページには劇的な効果があります。ただし、仕組みを考えれば分かりますが、アクセスの度に更新が必要であったり、コンテンツが頻繁に変化するページにはあまり効果がありません。効果がないどころか、ページが更新されずに悪影響となることもあります。

全てのページがキャッシュに適しているわけではありません。不具合が生じるページはキャッシュ対象外とするなどの調整が必要ですが、Z.comには「ON/OFF」の設定しかありません。

他にも、PHPやCSS等の修正がすぐに反映されないという問題もあります。キャッシュが優先されるため、キャッシュが更新されるまで過去のデータが表示され続けます。キャッシュ機能は有用ですが、キャッシュの存在を忘れていると、変更が反映されないときの原因特定に無駄な時間を必要とします。

もし動作確認が必要な時は、キャッシュが無効となる「ステージング環境」を利用するか、その間だけキャッシュ機能を無効にするとよいでしょう。

キャッシュデータの削除は、コントロールパネルでは行えません。WordPressのダッシュボードに機能が追加されています。

ステージング環境

「ステージング環境」はZ.comの最も特徴的な機能です。

公開環境(本番環境)と同じ環境(PHPのバージョンなど)に、公開前のテスト用サイト(ステージング環境)を構築できるサービスです。ステージング環境でテストを行い問題がなければワンクリックで、本番環境に反映させることが可能です。

不具合の許されない信頼性が必要となるサイト運営には必須の機能です。単純にWordPressを利用するだけなら不要ですが、テーマやプラグインを開発またはカスタマイズするユーザーには魅力的な機能でしょう。

詳細は下記をご覧下さい。

バックアップ/リストア

標準装備のバックアップ機能が充実しています。

本番環境だけでなく、ステージング環境のバックアップも可能です。ステージング環境から本番環境へコピーする前に本番環境のバックアップを実行しておくと、トラブルが生じてもバックアップデータからリストア(復元)することができます。

バックアップデータは非公開領域にあるため、そのままではダウンロードできません。バックアップデータをダインロードするためには、「ZIPファイル作成」を実行します。データベースのダンプ(SQLファイル)とWordPressの全データ(インストールディレクトリ)がZIPファイルにアーカイブされ、「~/archive/system」に保存されます。ただし、全てのデータがアーカイブされるため、大規模なサイトであればストレージ容量が気になるところです。

本番環境については 自動バックアップ機能 が標準で動作しており, 毎日1回のバックアップが自動的に行われます。バックアップデータは 14日分保存 され、それ以前のデータは自動的に削除されます。任意のタイミングでバックアップを実行することもできます。

オートスケール/バースト

最近よくありますが、ブログやサイトが大きなニュースサイトなどに取り上げられ、突発的なアクセス増加によりサイトがダウンすることがあります。このような場合にも、Z.comではWebサイトがダウンしないようにリソースを自動的に割り当てる(増強する)仕組みがあります。リソースとは(仮想)CPUやメモリのことです。

普通のレンタルサーバーであれば、アクセスが急増すると503エラー(サービス利用不可の状態)が発生します。収益を目的としたサイトなら機会損失となってしまいます。Z.comであれば、高負荷時にも安定したWebサイトの稼働が可能です。

自動アップデート

WordPressでは、重要な問題に対応した「メジャーアップデート」と軽微な修正の「マイナーアップデート」が行われてします。Webサイトのセキュリティを確保するために、最新版のWordPressを使うことが重要です。Z.comでは、定期的なアップデートのチェックが自動化されており、本番環境のWordPressを常に最新バージョンに維持する仕組みがあります。

  • マイナーアップデート
    1. WordPressによる新しいマイナーアップデートの提供開始
    2. 自動アップデートの実施
    3. 同時に、コントロールパネルでユーザーへ告知
  • メジャーアップデート
    1. WordPressによる新しいメジャーアップデートの提供開始
    2. 安定したサービスを提供できるよう、入念な検証をZ.comが実施
    3. 問題のないことが確認され次第、自動アップデート実施予定日をコントロールパネルでユーザーへ告知
    4. 実施予定日に自動アップデート

マイナーアップデートはWordPressの標準機能ですが、メジャーアップデートは通常自動的に行われません。Z.comであれば、WordPressのメンテナンスに気を遣う必要がなく、安心してサイト運営に集中できます。

ステージング環境については、任意のタイミングでアップデート可能です。ステージング環境のアップデートは本番環境のダッシュボードから実行できます。

メモ
自動アップデートを停止させることはできません。

サイトコピー

複数のWordPressをインストールしている場合、サイトコピー機能を利用できます。

ワンクリックでWordPressを複製でき、同じテンプレートを採用するサイトを複数立ち上げる場合にも役立つでしょう。

ハードウェアやソフトウェア

OS
高負荷に強いCloudLinux 6
CPU / メモリ
Xeon E5-2660 v3 2.60GHz / 8GB

コマンドラインツール

スクリプトからの呼び出しで利用できるツールです。

ツール  
対応 sendmail / gzip gunzip / zip unzip / tar / gcc / gs / curl / nano / base64 / wget / sh (bash) / iconv / vi (vim)
非対応 nkf / ImageMagick (convert) / uuencode uudecode / emacs / lynx / elvis / traceroute / ping / tracepath / Netpbm (pngtopnm/jpegtopnm)
注意
インストール状況を独自に調査した結果です。動作を保証するものではありません。

サポート対応

必要最低限のマニュアルが用意されています。

機能がシンプルであり(良くも悪くも)制限も多いため、コントロールパネルの操作方法で迷うことはないでしょう。レンタルサーバーの利用経験があれば直感的に運用できます。

サポート  
電話 東京(03)までの通話料が必要です。平日10:00〜18:00のみ。
メール 公式サイトのお問い合わせフォームを利用します。

実際にメールでの問い合わせをしていますが、早ければ当日中、遅くとも2日以内には回答があります。平日以外にも回答があったので、メールであれば土日祝も対応しているようです。

支払い方法

Z.comでは「クレジットカード」と「チャージ方式」の2種類の支払い方法を選択できます。クレジットカードはカード情報を登録して、そのカードにより自動的に支払いが行われます。チャージ方式は、いわゆるプリペイド(前払い式)タイプとなっており、Z.comのアカウントに予め入金しておくことで、各種サービスの支払いに利用できます。

チャージ方式には、以下の支払い方法を選択できます。

支払い方法  
クレジットカード MasterCard / VISA / JCB / DISCOVER
銀行決済(ペイジー) インターネットバンキング / ATM。銀行振込の場合、手数料が必要です。
コンビニ ローソン / ファミリーマート / サークルKサンクス / ミニストップ。手数料(150円)が必要です。
その他 PayPal / Alipay

解約方法

「解約手続き」は存在しません。

(クレジットカードの自動払いを除き)前払いとなっているため、有効期限が過ぎれば自動的に解約処理(サーバー停止)となります。

クレジットカードを含め、解約するなら自動更新を無効にしておきましょう。また、自動更新にしていても利用可能残高(Z.comチャージ残高とクーポン残高の合計)が不足していれば、翌日にサービスが停止します。入金することで再稼働も可能です。

Z.comのアカウント自体を削除する場合は、My Z.comで「Z.comの退会」の手続きを行います。

アダルトサイト

公式サイトを確認しても不明ですが、サポートに問い合わせたところ一般的にアダルトサイトと呼ばれるWebサイトの運営は 不可 となっています。

シンガポールサイトの場合、海外リージョンを選択できますが、どのリージョンであっても同じとのことです。

まとめ

Z.com WordPress専用サーバーの特徴を一言で表すと「誰でも簡単に快適にWordPressサイトを運営できる」ということです。インストール作業はワンクリックで、データベースの存在を意識することもありません。アップデートもZ.comにおまかせです。

  • 簡単な独自ドメインの設定
  • 自動バックアップでトラブル時も安心
  • 自動アップデートによるセキュリティ対策
  • キャッシュ機能 (Nginx) による高速レスポンス
  • オートスケール/バースト機能による安定稼働
  • ステージング環境による確実なテスト環境

WordPressに興味はあるけど「メンテナンスはやりたくない」「WordPressは難しそう」という初心者におすすめです。好みのテーマ(デザイン)さえ見つけてしまえば、見栄えの良いサイトがあっという間にできあがります。

メンテナンスなどの余計な手間が不要なため、コンテンツ作りに集中することができます。すでに他レンタルサーバーでWordPressを利用しており、レスポンス性能に不満がある場合にもおすすめです。

シンプルが故にデメリットもあります。編集可能なディレクトリが「/wp-content」以下のみという厳しいアクセス権設定や、キャッシュの詳細な設定ができない等、自由度の低さがユーザーによっては問題となるでしょう。

基本料金で収まる訪問者数が「30,000人/月」という制限はありますが、PV換算で90万PV/月のサイト運営は簡単ではありません。初心者であれば、最初から追加料金が発生することはありません。訪問者数が規定数を超えそうになってから、他のサービスを検討してもよいでしょう。


更新履歴  
2016年11月11日 仕様変更に伴いレビューを刷新しました。

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