さくらインターネットのレンタルサーバーのレスポンス性能と安定性を評価する

新しい測定記事があります。

さくらインターネットのレンタルサーバーの性能評価を掲載します。測定対象は スタンダードプラン です。

測定方法

測定方法については、下記のページを参考にしてください。

レンタルサーバー性能の測定方法を変更しました

測定期間

2015年2月26日から 12日間

測定ポイント

サーバー(データセンター)の所在地については、下記のページを参考にしてください。

家庭用回線とデータセンターからの測定となります。家庭用回線は測定中であってもサーバー以外のPCでYouTubeを見たりファイルをダウンロードしたりと普通の使い方をしており、実環境と似た結果が得られると思います。

  • 家庭用回線の測定環境
    • eo光(K-Opticom/関西電力)100Mタイプ
    • ルーターと測定用サーバーは有線接続

測定結果

10秒以上の結果は、ばらつきを大きくするのでグラフ化のデータから省いています。10秒以上のデータについては、測定結果の表を確認してください。といっても、家庭用回線からの測定では10秒以上を要した結果はありません。

  • 測定回数: 実行総数
  • 測定失敗: ダウンロードが失敗した割合
  • 3秒以上: ダウンロードに要した時間が3秒を超えた割合
  • 10秒以上: ダウンロードに要した時間が10秒を超えた割合
  • 平均時間: ダウンロードに要した時間の平均値
  • ばらつき: 母標準偏差(グラフ上の値は標本標準偏差)

eo光(家庭用回線)からさくらインターネット

  動的サイト 静的サイト
測定回数 7,006 7,006
測定失敗 0%(0) 0.03%(2)
3秒以上 0.13%(9) 0.04%(3)
10秒以上 0%(0) 0%(0)
平均時間(秒) 0.79 0.45
ばらつき(秒) 0.26 0.21

さくらインターネットの評価

快適なWebサイトの条件として3秒以内のレスポンスが1つの基準となります。平均時間は動的サイトであっても1秒以下であり優秀なレンタルサーバーであることが分かります。

調査では、3秒を過ぎると57%のユーザーがしびれを切らし、訪問を諦めることがわかった。どんなに美しいサイトを作ったところで、3秒以内に表示されなければユーザーの目に触れるチャンスすらないということになる。

3秒が許容範囲 - Webサイトのパフォーマンスが重要な理由 | マイナビニュース

同価格帯のレンタルサーバーと比較しても、ずば抜けてレスポンスが良く安定しています。おそらく他社の上位プランより優秀なのではないでしょうか。昼夜問わず安定していますし、ばらつきが非常に少ないことも特徴です。夜間にレスポンスが低下するのはどのレンタルサーバーでも同じですが、さくらインターネットの低下はごくわずかです。

動的サイト(WordPress)であっても、平均時間はわずか0.34秒の増加にとどまります。たまにさくらインターネットからエックスサーバーに移行するユーザーのブログを見かけますが、この測定結果だけならさくらインターネットが優秀に思えます。

一時期エックスサーバーがおすすめとして紹介されていたので、ユーザーが増えすぎたのかもしれませんね。

予想以上に測定結果が優れており、評価をするまでもありません。この価格帯ではおすすめのレンタルサーバーです。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト   WordPress Static
環境 平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %平均値 秒中央値 秒標準偏差 秒エラー %

0.210.210.0100.210.210.010

PHP5/CGI

0.240.220.0500.430.540.20

PHP7/CGI

0.240.210.0700.240.210.060

0.250.230.060.020.260.230.080.42

Xキャッシュ

0.290.250.0900.280.250.070

0.370.350.0800.360.350.050

0.380.370.0500.570.660.190

PHP7/FastCGI

0.40.40.1200.230.220.030

WordPressサーバー

0.420.350.200.40.350.150

0.430.470.2100.430.220.310

PHP7/FastCGI

0.450.450.1500.290.260.090

PHP7

0.460.450.030.050.350.310.10.02

キャッシュ無効

0.470.520.1500.430.540.210

PHP5/FastCGI

0.470.470.1200.230.220.030

0.540.70.2500.360.330.090.02

PHP5/FastCGI

0.550.540.1700.330.290.110

0.620.620.030.10.410.340.140.17

PHP7

0.620.590.3200.380.310.20

PHP7/Module

0.620.590.1100.40.390.040

キャッシュ無効

0.620.610.1200.380.370.050

PHPサーバー

0.620.70.2600.340.290.10

PHP5

0.630.620.0300.320.310.030

PHP7

0.630.590.3300.370.310.180

0.640.610.100.480.450.090

PHP7/CGI

0.660.620.1200.390.380.050

0.6600.2200.6600.230

0.670.650.070.150.520.470.140.15

キャッシュ

0.680.680.0600.690.690.060

PHP7/CGI

0.70.680.0900.510.490.070

PHP5

0.710.690.3300.370.30.180

0.710.730.300.350.310.110

0.720.710.0500.240.240.010

0.750.630.3100.560.470.290

PHP5

0.750.70.3700.370.310.160

モジュール

0.80.750.160.150.370.360.060.1

0.830.790.3900.340.280.150

PHP7

0.840.80.2600.740.690.160

PHP7

0.840.840.1400.670.670.060

PHP7

0.850.840.0600.670.660.050

PHP7

0.880.840.160.750.610.570.10

0.910.860.1600.510.490.070

0.920.880.200.640.610.240

0.930.920.0500.650.650.040

PHP5

0.930.920.1600.670.670.060

0.950.950.1200.520.50.080

CGI

0.950.90.1600.390.370.070

PHP5/FastCGI

0.970.960.40.150.420.410.070.07

PHP5

10.980.3100.770.80.140

PHP5/CGI

1.040.80.7700.530.490.110

1.051.010.1200.810.740.190

PHP5

1.11.050.1600.60.560.10

1.141.140.0400.270.260.020

ライトプラン

1.441.221.300.510.370.670

1.961.920.630.021.631.560.590.02

2.091.71.070.931.241.170.420.6

2.2300.650.111.9100.60.07

PHP5/FastCGI

2.722.550.670.072.412.170.660.07

PHP5/FastCGI

2.92.780.510.352.522.370.430.15

PHP7/FastCGI

2.922.80.530.272.572.460.360.22

PHP7

3.181.572.340.350.710.710.180.22

PHP5

3.31.532.470.50.720.720.180.45

3.363.090.630.022.892.720.350

3.7800.50.073.7700.510.1

4.564.530.3104.244.220.340

5.75.720.830.025.135.140.810.02

8.056.723.081.687.826.43.231.41

00000.340.290.150

00006.136.270.450

参考値:ロリポップ!からさくらインターネット

  動的サイト 静的サイト
測定回数 7,008 7,008
測定失敗 0%(0) 0%(0)
3秒以上 2.04%(143) 1.88%(132)
10秒以上 0.03%(2) 0%(0)
平均時間(秒) 1.10 0.80
ばらつき(秒) 0.44 0.42

測定結果の妥当性

レンタルサーバー間の測定で何を見るかというと、 時間帯の負荷状況静的サイトと動的サイトの差 です。基幹網(バックボーン)の接続となるためレスポンスを家庭用回線と比較しても意味がありません。それでも、家庭用回線による 測定結果の妥当性の確認 には利用できます。例えば、エラーや大きな遅延が同じタイミングで発生していれば、さくらインターネットの問題であることが分かります。

どちらもエラーがほとんどなく、傾向が大きく違うこともないため測定結果に問題はなさそうです。他の測定結果でも似たような傾向がありましたが、家庭用回線よりレスポンスが悪いのはロリポップ!の負荷状態に原因があるような気がします。

動的サイトと静的サイトとの差はわずか0.3秒であり、エラーもなく優秀な結果です。


測定結果について

測定結果は測定時期やネットワーク環境、レンタルサーバーの状態により大きく変動します。特に共用レンタルサーバーは1つのサーバーを複数のユーザーでシェアします。ユーザーが多ければ使えるリソース(CPUやメモリ、ネットワーク)は少なくなりパフォーマンスに影響します。ユーザーが少なくても少数のパワーユーザーがいれば、大きな負荷となりレスポンスが低下します。この測定結果はあくまでも1つの例として参考にしてください。

更新履歴  
2015年5月1日 リンクを修正

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