ドメインキングで他社の独自ドメインを利用する方法 〜大手レジストラ4社対応〜
ドメインキング(DOMAINKING)はその名の通り独自ドメインを取り扱っているため、ドメインも一緒に契約すると管理が楽になります。ドメイン料金は格安レジストラ(またはリセラー)と比較しても引けをとりません。とはいえ、より安い他社で取得したドメインを使用したいと思うこともあるでしょう。ここでは、他社管理の独自ドメインをドメインキングで使用する方法を紹介します。
ドメインキングの設定方法は、他のレンタルサーバーと比較して難易度が高めです。PLESK(コントロールパネル)独自の単語が頻繁に出てくるため、おそらく初心者が理解することは不可能でしょう。もちろんマニュアルが用意されているため、それを参考にすることもできますが、明らかに説明が足りていません。
他社のドメインをドメインキングで利用する方法は2通りあります。1つは「ドメインキングのネームサーバーを利用する」、もう一つは「レジストラのネームサーバーを利用する」です。ここでは、最も基本的なドメインキングのネームサーバー(DNSサーバー)を利用する方法を紹介します。
ドメインキングでは独自ドメインが無制限(Sプラン以上)となっていますが、DNSのゾーンは100個が上限となっています。100個もドメインを使うことはないと思いますが、これ以上のドメインを設定するなら、レジストラのネームサーバーを利用しましょう。ここでは説明しませんが、DNSレコードの知識が必要となります。
- メモ
- 契約時に登録したドメインは、設定済みとなるため「レジストラの設定変更」のみでアクセス可能となります。
難解なドメイン設定
ドメインキングのドメイン設定は2種類あるため、初心者でなくとも分かりにくいものとなっています。
一つはドメインごとに領域を割り当てる方法です。これがドメインキングのマニュアルに記載される標準的な方法です。以降「標準設定」と呼びます。
以下の様な特徴があります。
- ドメインごとに別々のFTPアカウントが発行されます。各FTPアカウントのホームディレクトリは「/virtual/www/vhosts/ドメイン名」なので、一つのアカウントで複数のドメイン(サイト)のデータを横断的に操作することはできません。
- 他のドメインのファイルにはアクセスできません。
- 例えば、親ドメイン(example.com)とサブドメイン(blog.example.com)で共有したいリソース(ファイル)があっても、標準設定では相互にアクセスできません。
- ドメイン単位で独立するため、メールアカウントなどを管理しやすくなります。
- サブドメインでもメールを運用できます。
- サブドメインでもDNSゾーンを一つ消費します。
- 親ドメイン
- ここではexample.comのような基本となるドメインを便宜上親ドメインと呼びます。Naked Domain、Apex Domain、Root Domainとも呼ばれます。
もう一つは、標準設定で登録した基本ドメインと同じ領域に、他のドメインを割り当てる方法です。他社ではよくある設定方法です。以降「拡張設定」と(勝手に)呼びます。
以下の様な特徴があります。
- 一つのFTPアカウントで全てのドメイン(サイト)のデータを横断的に操作できます。
- 全てのドメインのファイルにアクセスできます。
- 例えば、親ドメイン(example.com)とサブドメイン(blog.example.com)でリソース(ファイル)を共有できます。
- サブドメインは親ドメインのDNSゾーンで管理されるためゾーンを消費しません。
- 図のように「example.net」のような親ドメインを登録した場合は消費します。
- 各ドメインのメールアカウントなどが混在するため、アカウント数が多くなると管理が煩雑となります。
- サブドメインではメールを運用できません。
おすすめの設定
おすすめは標準設定と拡張設定との組み合わせです。
- ドメインごとに各アカウントを管理したいので、親ドメイン(example.com や example.net)は標準設定を利用します。
- サブドメイン(blog.example.com や blog.example.net)の場合、下記の理由で拡張設定を利用します。
- サブドメインでメールを運用することはほとんどない。
- 親ドメインとサブドメインのウェブサイトは、デザインやスクリプトを共有することも多いためまとめて管理したい。
- データベースについて
- データベースも(標準設定の)ドメインごとの管理となりますが、別領域であってもデータベースは共有できます。ただし、ドメインを削除すると関連するデータベースも削除されるので注意が必要です。
独自ドメイン設定の前に
ドメインキングで他社管理のドメインを利用するには、ドメインキング側の設定と管理先(レジストラ)側での設定が必要となります。
設定にドメインキングのDNSサーバー(ネームサーバー)のアドレスが必要となるため、公式サイトで確認してください。これから契約するとアカウントIDが30,000番以降となり、ネームサーバーのアドレスは以下の様になります。
アドレス |
|
ネームサーバー1 |
dkns3.hosting-sys.jp |
ネームサーバー2 |
dkns4.hosting-sys.jp |
レジストラでのドメイン設定
ドメイン設定の反映に時間がかかるため、先にレジストラの設定を行っておきます。
ここではレジストラとして、ムームードメイン、スタードメイン、バリュードメイン、お名前.comを例に説明します。基本的な設定方法は同じなので、他のレジストラでも参考となるでしょう。
ムームードメインでの設定方法
- ムームードメインのコントロールパネルにログインします。
- メニューの「ネームサーバ設定変更」を選択します。
- 対象ドメイン(example.com)の「ネームサーバ設定変更」をクリックします。
- 「GMOペパボ以外のネームサーバを使用する」を選択します。
- ドメインキングのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「ネームサーバ設定変更」をクリックします。
これでムームードメインの作業は終了です。
スタードメインでの設定方法
- スタードメイン(ネットオウル)のコントロールパネルにログインします。
- メニューの「管理ドメイン一覧」を選択します。
- ネームサーバーの設定を変更したいドメイン(example.com)の「ドメイン管理ツール」をクリックします
- ドメインキングのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「確認画面」をクリックします。
これでスタードメインの作業は終了です。
バリュードメインでの設定方法
- バリュードメインのコントロールパネルにログインします。
- メニューの「ドメイン」を選択します。
- メニューの「ドメインの設定操作(登録済みドメイン一覧)」を選択します。
- ネームサーバーの設定を変更したいドメイン(example.com)の「ネームサーバー」をクリックします。
- ドメインキングのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「保存する」をクリックします。
これでバリュードメインの作業は終了です。
お名前.comでの設定方法
- お名前.comのコントロールパネル(ドメインNavi)にログインします。
- 対象ドメイン(example.com)のメニューからネームサーバーの「変更する」をクリックします。
- 「他のネームサーバーを利用」タブを選択します。
- ドメインキングのネームサーバーのアドレスを入力します。
- 「確認画面へ進む」
これでお名前.comの作業は終了です。
ドメインキングでのドメイン設定
下記の設定について説明します。
- 標準設定による親ドメイン(example.com)の設定。
- 標準設定によるサブドメイン(blog.example.com)の設定。
- 拡張設定によるサブドメイン(blog.example.com)の設定。
標準設定による親ドメインの設定
主に親ドメイン(example.comやexample.net)を設定するときに利用します。
- コントロールパネルにログインします。
- 「自社用の契約を作成」をクリックします。
- ドメイン名を入力します。
- ユーザ名とパスワードを入力します。
- ドメインに対する管理用アカウントとなります。基本のFTPアカウントとなり、他にも様々な設定に利用されます。忘れないようにメモを残しておきましょう。
- 「OK」をクリックします。
- 「作成後に、契約パラメータのカスタマイズ〜」をチェックしていた場合、この画面が表示されます。
- 主にリソースの割り当てを実施します。例えば、ドメインごとに追加できるサブドメイン数やデータベース数を設定できます。
- サブドメインが0になっていると、サブドメイン関連のメニューが非表示となります。
- データベースが0になっていると、データベース関連のメニューが非表示となります。
- メールボックス(メールアカウント)が0になっていると、メール関連のメニューが非表示となります。
Sプラン以上なら、データベース以外が無制限となっているので、自由に割り当てることができます。Pプランの場合、他のドメインでの設定数が上限に達していると割り当てに失敗します(上図参考)。
データベースはどのプランも有限ですが、他のドメインで設定したデータベースにアクセスできるので、どこかのドメインでまとめて管理してもよいでしょう。ただし、アプリケーション機能(インストール補助機能)を利用するなら、ドメインにデータベースが設定されている必要があります。
この設定はいつでも変更できるため、必要に応じて調整できます。
これでドメイン(example.com)が登録され、ディレクトリ「~/httpdocs」との紐付けが完了しました。ブラウザで「example.com」にアクセスすると、「~/httpdocs」内のデータが読み込まれます。
後述する拡張設定と異なり、自動的にドキュメントルート(~/httpdocs)が割り当てられます。設定後であれば自由に変更できます。
標準設定によるサブドメインの設定
同じ方法でサブドメイン(blog.example.com)も登録可能です。サブドメインでメールを運用したい場合は、この方法で設定します。ただし、親ドメイン(example.cm)とファイルを共有することはできません。
設定方法は全く同じなので省略します。
拡張設定によるサブドメインの設定
標準設定で登録したドメイン(example.comなど)の管理下にサブドメイン(blog.example.comなど)を設定する方法です。親ドメインと同じ領域にドキュメントルートが作成されるため、PHPなどのスクリプトから相互にアクセス可能となります。
ここでは、サブドメインの設定方法のみ説明します。
- コントロールパネルのホームから、標準設定で登録したドメインを選択します。
- ここでは「example.com」にサブドメイン(blog.example.com)を追加します。
- example.comの設定画面が表示されます。
- 「ウェブサイトとドメイン」タブを選択します。
- 「新しいサブドメインを追加」をクリックします。
- もし表示されていない場合は、「標準設定」を参考にサブドメインの設定数を割り当ててください。
- サブドメイン名を入力します。ここでは「blog.example.com」とします。
- ドキュメントルートは自動的に入力されます。他のディレクトリを指定することもできます。
- 「OK」をクリックします。
これでサブドメイン(blog.example.com)が登録され、ディレクトリ「~/blog.example.com」との紐付けが完了しました。ブラウザで「blog.example.com」にアクセスすると、「~/blog.example.com」内のデータが読み込まれます。
ドメイン設定後の注意点
これらの設定を終えるとドメイン(example.comやblog.example.com)でドメインキングにアクセスできるようになります。
- 注意点
- DNSサーバーの設定変更はすぐに反映されません。そのため変更前のアクセス先を参照することや、エラーが発生することがあります。設定に間違いがなければ、しばらく待ちましょう。
- OSやWebブラウザが変更前のDNS情報をキャッシュしていることもあります。必要に応じてキャッシュの削除が必要です。普段利用していないブラウザを利用すると正常に動作することがあります。
更新履歴 |
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2016年10月25日 |
メールアカウントの記述を修正しました。 |