PLESK12採用のドメインキング 新サーバー移行後のベンチマーク結果

この記事の内容は古いため現状と異なる可能性があります。新しい記事も参考にしてください。

ドメインキングでは 2015年11月頃 に新コントロールパネル「PLESK 12」を採用したサーバーを増設しています。既存ユーザーに対してもサーバー変更受付の案内があり、任意で新サーバーへの移行が可能となっています。そこで、当サイトで契約しているサーバーも変更することにしました。特にアナウンスはありませんが、サーバー性能が向上している可能性があります。

せっかく新サーバーに移行したので、旧サーバーと同様にサーバー性能を評価してみましょう。レンタルサーバーの選択基準はサーバーの処理性能でしょう。いくら多機能であっても処理性能が悪ければ、エラーが発生しやすくレスポンスも悪くなります。

この記事では、ネットワーク環境の影響を受けないサーバーのみの性能を確認します。ドメインキングの詳細な仕様については、当サイトのレビューをご覧ください。

【レビュー】ドメインキング

測定方法

WordPressをインストールしたサイト (サーバー) を利用します。

  • 「ランダムな3,000文字/記事 (の自動生成) 」の投稿と削除
    • 100記事をまとめて投稿、投稿後に全削除
  • 投稿と削除はWordPressの標準関数を利用
    • wp insert post、wp delete post

これらの処理を 5分間隔 で実行し、処理時間を測定します。つまり、 PHPとデータベースの処理性能 を確認することになります。データセンター内で完結する処理なので、ネットワーク環境 (速度) の影響は受けません。

負荷について
100件程度は大した負荷ではありません。しかし、共用サーバーなので負荷とならないように、1件毎にwait処理を差し込んでいます。

測定結果

結果 有効測定数 除外数 棄却閾値 エラー 中央値 平均値 ばらつき
Raw (未加工) 864回 - - 0%
(0回)
3.09秒 3.15秒 0.28秒
棄却検定 2.66%
(23回)
3.65秒 3.12秒 0.12秒
測定結果
72時間 (3日間) の測定結果となります。X軸は時刻(0時~24時)を表し、各時刻の値は3日間の平均値です。有効測定数はエラーを省いた実測定数です。
棄却検定
測定実行のタイミングによりサーバーの負荷状態 (混雑具合) が変動します。集計に影響を与える一時的な異常値 (外れ値) を棄却検定 Grubbs' test (α=0.001) により省いたデータも掲載しています。
ばらつき (標準偏差)
統計的な話ですが、処理の 約68%平均値 ± ばらつき に、約95%平均値 ± ばらつき×2 に収まることを示します。つまり、ばらつきが小さいほど処理性能が安定しているといえます。

ドメインキングの評価

非常にフラットな結果となっており、終日安定稼働していることが分かります。処理速度に関しては、旧サーバーより少し改善されているようです。僅かな差ですが、誤差とも言えないほどの差はあります。この測定期間に限れば、ばらつきは大きく改善されており安定性が増したことを推測できます。

旧サーバーの測定結果はこちらをご覧ください
ドメインキングのサーバー性能を他のレンタルサーバーと比較する

棄却検定による除外数は少し多いようです。気になるほどの数値ではありませんが、今回の測定期間に限れば 約2.7% の頻度で処理速度が落ちていたということになります。しかし、棄却されたデータの平均値は 4.33秒 と他のレンタルサーバーと比較しても十二分なものです。基本性能が高いため、全体的に安定している考えても良いでしょう。

この測定期間外では極僅かですが「Nginx」を起因とするエラーが発生していました。例えば「502 Bad Gateway」「504 Gateway Time-out」です。しかし、8/約3,800 (0.2%程度) と非常に稀なので気にすることもありません。

ミニバード、ロリポップ!との比較

  ドメインキング ロリポップ ミニバード
有効測定数 864回 861回 864回
棄却検定除外 2.66%(23) 0.46%(4) 0.93%(8)
棄却検定閾値 3.65秒 6.55秒 6.31秒
エラー 0%(0) 0.35%(3) 0%(0)
中央値 3.09秒 3.70秒 3.69秒
平均値 3.12秒 3.81秒 3.86秒
ばらつき 0.12秒 0.60秒 0.55秒

低価格帯のサービスということで、ロリポップ (ライトプラン) とミニバードを比較対象としてみましょう。比較対象は廉価プランでありデータベースを1個または数個だけ利用できるものです。

比較するとドメインキングの高性能さと安定性が際立ちます。この結果だけならドメインキングをお薦めしたいのですが、やはり契約当初の不安定さが記憶に残っています。わずか1年ほどで劇的に改善されたように思いますが、他ユーザーの評価が分かれていることも気になります。

とは言え、最廉価プランであれば間違いなくお勧めです。ワンコイン (100円) でこれだけのレンタルサーバーはなかなかありません。広告が表示されてしまう無料サービスを利用するなら、間違いなくドメインキングを利用した方がよいでしょう。

ただし、初心者にはお薦めできません。PLESKと呼ばれる汎用的なコントロールパネルが採用されていますが、直感的に利用することは不可能です。レンタルサーバーの利用経験があれば、マニュアルと併せてどうにかなる程度のわかりにくさがあります。非常に多機能であるため、目的の機能を探すのにも苦労するでしょう。また、ドメインキングの情報が少ないため、トラブルが発生したときにも苦労するでしょう。

ロリポップ!やミニバードであれば、使いやすいコントロールパネルであり、ユーザーが多いためトラブル時にも安心です。レスポンス性能も全く問題ありません。詳しくは当サイトのレビューをご覧ください。

他のレンタルサーバーとの比較

公式サイト 環境 平均値 ミリ秒中央値 ミリ秒標準偏差 ミリ秒エラー %

1.71.670.070

PHP7/CGI

1.821.830.220

1.941.950.070

PHP7/CGI

2.0220.140

PHP7

2.152.120.321

2.162.170.080

PHP7

2.172.130.240

2.182.150.30

2.242.250.280

PHP7/FastCGI

2.282.230.250

PHP5/CGI

2.42.410.270

PHP5/CGI

2.412.390.150

2.522.430.330

PHP7

2.712.680.348

2.722.660.3735

PHP7/FastCGI

2.732.70.30

PHP5/FastCGI

2.732.680.270

2.862.860.090

PHP5

3.032.960.380

3.13.150.310

PHP7/Module

3.113.120.080

PHP&MySQL

3.113.010.330

3.133.140.070

PHP5/FastCGI

3.143.090.210

3.142.90.630

3.142.960.680

PHP7/CGI

3.193.190.130

3.23.180.110

PHP5

3.513.470.398

PHP5/FastCGI

3.613.60.40

3.643.60.290

WordPress

4.183.891.090

PHP7

4.224.070.470

4.224.270.30

4.424.430.180

4.54.470.580

PHP5/CGI

4.564.450.560

PHP5

4.964.860.450

PHP5/Module

5.124.960.80

PHP7

5.164.242.230

5.184.691.240

5.255.210.320

PHP7

5.255.170.370

5.315.320.110

PHP5

5.315.230.560

PHP7

5.675.520.740

5.715.590.450

PHP5

5.885.80.360

6.055.920.580

PHP5

6.455.152.640

PHP5

6.456.330.770

6.526.490.760

PHP5/FastCGI

6.646.670.330

6.96.910.130

ライト

7.416.932.160

8.37.313.550

14.49.341461

hostingstock.netで測定した他レンタルサーバーとの比較です。

測定結果について!
レンタルサーバーは、一つのサービス (プラン) に対して多くのサーバーが運用されています。これらの測定結果は、その中の一つに過ぎません。契約時期により割り当てられるサーバーのスペックは異なる可能性があります。また、同じサーバーを利用する他のユーザーの負荷も影響します。

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